美しい自然と豊かな食文化が息づく石川県は、多くの食通を魅了する美食の宝庫です。特に、新鮮な海の幸や地元の旬の食材を活かした料理は、訪れる人々を感動させています。今回は、石川県内で特に評価が高く、美味しいランチが楽しめるお店をジャンルを問わず5店舗厳選してご紹介いたします。金沢市から七尾市まで、それぞれの店舗の魅力や特徴をお伝えします。
北陸随一の日本料理 片折で味わう至高の懐石
金沢市に位置する「片折(かたおり)」は、北陸随一とも称される予約困難な日本料理店です。2018年の開店以来、瞬く間に全国の食通から注目を集め、ミシュランガイド北陸で二つ星を獲得し、「食べログ」では全国1位に輝くほどの高評価を得ています。浅野川沿いの風情ある静かな立地で、地元能登や氷見から毎朝仕入れる厳選食材を用いた季節のおまかせ懐石料理を提供しており、その研ぎ澄まされた美味しさにはただ驚嘆するばかりです。
ランチメニューはおまかせの懐石コースのみで、旬の魚介や加賀野菜をふんだんに使った品々が供されます。価格帯は一人あたり約4万円から5万円と非常に高価ではございますが、それに見合う極上の内容を体験できます。料理長自らが毎日能登や富山まで足を運び厳選した食材を用い、一品一品が季節感あふれる逸品に仕上がります。店内はカウンター中心の落ち着いた空間で、洗練された和の雰囲気が漂います。東山茶屋街近くの静かなロケーションにあり、ゆったりと食事を楽しめます。
伝説の寿司職人が握る 小松弥助の至福のひととき
金沢市にある「小松弥助(こまつ やすけ)」は、「伝説の寿司職人」と称される森田一夫氏が握る名店です。全国から食通が押し寄せる金沢屈指の寿司店として知られています。営業は昼のみに限定されており、11時30分、13時、14時30分の三部制で、握り5貫や名物のうなきゅう巻きなどが付いたおまかせコースからスタートします。追加注文や地酒を楽しむお客様も多く、一人あたり1万円から2万円程度を見積もると良いでしょう。金沢駅近くの旅館「金沢茶屋」新館1階にあり、カウンター11席とテーブル席が少数のみで、店内は森田氏の人柄も相まって和やかな空気に包まれています。
昼の握りコースは、大将おまかせの握り5貫に小ぶりの変わり寿司、そして熱々の名物うなきゅう巻きが基本セットです。その後、好みに応じて追加の握りや玉子焼きなどを注文できます。ネタは能登や日本海の旬魚が中心で、特に冬の寒ブリや香箱ガニなど季節の逸品が供されます。白木カウンター越しに森田大将が穏やかな笑顔で客と会話しながら鮨を握る温かな雰囲気は、老舗ながらも堅苦しさがなく、初訪問でも次第に緊張が解ける居心地の良さがあります。
近江町市場の老舗 山さん寿司 本店の豪華海鮮丼
金沢市民の台所、近江町市場で60年以上続く老舗寿司店「山さん寿司 本店」は、地元客にも観光客にも高い人気を誇ります。特に新鮮な海の幸を豪快に盛り付けた「豪華海鮮丼」が名物として知られています。ウニ、イクラ、甘エビ、カニ、ノドグロ炙りなど18種類ものネタが溢れんばかりに載った海鮮丼は圧巻で、金沢らしく金箔もあしらわれています。お米は能登産ブレンド米を使い、酢や醤油も地元産にこだわっているため、ご飯まで美味しいと評判です。
ランチメニューは名物の豪華海鮮丼(約3,000円)や近江町海鮮丼のほか、握り寿司セットも人気です。海鮮丼にはその日仕入れた旬の魚介がたっぷり盛られ、贅沢な内容となっています。市場の中にあり活気ある雰囲気ですが、店内は意外に広くカウンター、座敷、テーブル合わせて32席あります。明るく威勢の良い職人が複数おり、盛り付けの豪快さも相まって観光客にも喜ばれるお店です。金沢らしい海鮮を気軽に味わえるため、ランチタイムは常に賑わっています。
金沢駅近くの行列店 麺屋大河の絶品味噌ラーメン
金沢駅周辺で圧倒的な人気を誇る味噌ラーメン専門店が「麺屋大河(めんや たいが)本店」です。北海道仕込みの特製味噌を使った濃厚スープの味噌ラーメンが看板メニューで、「食べログラーメン百名店」にも選出されています。看板の味噌らーめん(750円)のほか、焦がしニンニク風味の黒味噌らーめんやピリ辛の赤味噌らーめんなどバリエーションも豊富です。
提供前に血糖値の急上昇を抑える効果があるという野菜ジュースがサービスされるユニークな心遣いもあり、濃厚ながら後味さっぱりのスープと自家製中太縮れ麺の相性が抜群だと評判です。能登豚チャーシューや地元食材も随所に使われ、北陸屈指の味噌ラーメンとして地元民にも観光客にも愛されています。店内はカウンター13席のみの昭和レトロな雰囲気で、赤い丸椅子が並ぶアットホームな空間です。いつも地元の常連や観光客で行列ができていますが、店員のテキパキした対応と明るい接客で回転は早めです。
七尾市で驚きのコスパ ごはん処 一歩のボリューム満点定食
七尾市にある「ごはん処 一歩(いっぽ)」は、地元漁港直送の鮮魚とボリューム満点の定食が評判の人気店です。刺身や焼き魚、フライなど豊富なおかずが一度に味わえる「一歩おまかせ定食」が名物で、信じられない品数と量ながらお値段は1,200円から1,780円程度と驚きのコストパフォーマンスを誇ります。例えば、寒ブリや甘エビを含む新鮮な刺身4種盛り、ぶりカマの塩焼き(厚さ2cm以上)、揚げたてトンカツ、茶碗蒸し、小鉢、香の物、ご飯と味噌汁まで豪華です。
一番人気は「おまかせ定食」で、刺身盛り合わせ、焼き魚、揚げ物、茶碗蒸し、小鉢、香の物、ご飯、味噌汁が一つの御膳に載りきらないほど提供されます。内容は日替わりで、その日の仕入れによって旬の魚が惜しみなく使われます。店内は座敷とカウンターがある昔ながらの食堂風で、アットホームな雰囲気です。30人近く収容できますが常に満席に近く、開店前から地元客や観光客が列を作る人気ぶりです。ボリュームたっぷりの料理に初めて訪れた人は皆驚き、常連客も多い活気あるお店です。
石川の美味しい店で思い出に残るランチを
今回ご紹介した5店舗は、石川県の豊かな食文化を存分に味わえる名店ばかりです。予約困難な高級店から、地元で愛されるカジュアルな食堂まで、様々なジャンルの美味しいランチを楽しむことができます。石川県を訪れる際には、ぜひこれらの高評価のお店に足を運び、心ゆくまで美食を堪能してみてください。きっと、旅の素敵な思い出となることでしょう。


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